名品サンツアーをスーパー通勤車へ

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サンツアーという名前の自転車パーツがあった。
と過去形で書いたのも、今でこそ名前だけが「SRサンツアー」として残っているものの、その実体は過去の前田工業製サンツアーとは全く別の会社の製品になってしまったからだ。
僕が自転車を始めたころはカンパが神様のようなもので、国産部品ではシマノとサンツアーが国内でのシェアを二分していた。

初めて購入したロードレーサーにはサンツアーのパーツが組み込まれていて、その質実剛健なパーツ群はシマノのような派手さはないものの、その素材や構造は非常に優れていて、信頼性の高いものだった。
競輪選手にもユーザーは多くて、かの世界選10連覇を成し遂げた中野浩一選手もサンツアーを使って勝ちまくっていた。

サンツアーは特にアルミニウム素材の質の高さが非常に良くて、カンパと比べても遜色ないものだった。それに比べるとシマノのギヤ板などはへなへなで、すぐに減ってしまうものだった。今でもギヤ板の素材はカンパやサンツアーには追いついていないと思う。
しかし良い物は、売れる物に駆逐されてしまった。非常に残念なことだ。

僕はサンツアーのパーツをずっと使い続けて来たが、今ではなくなってしまったことから、カンパをメインに使うようになったが、今でもサンツアーは大好きなパーツだ。

ところで、サンツアーの変速機をスーパー通勤自転車に組み込むことにした。
ものは過去にロードレーサーに組み込んでいた、サイクロンの改造版だ。

どこが改造してあるかというと、プーリーがシールドベアリングが入ったシュパーブのものに取り替えてあるのだ。

当時シールドベアリング入りプーリーを標準で装備していたのはシュパーブしかなかった。
このことだけを見てもサンツアーがすごく先進的な技術を使っていたかが判るというものだ。

で、このサイクロン、かなり消耗はしているが今でもすばらしい変速性能を発揮してくれる。

サンツアーの変速機はスプリングが強くて、引きが重いという意見もあったのだが、古くからパワーラチェット方式のシフトレバーを採用したりして対処していた。
スプリングが強いということは、インデックスシフトになった時にシフトが速いという話にもなった。

シフトレバーもインデックスとパワーラチェットもしくフリクションの両方が使えるようになっていて、トラブル時の対応やライダーの好みに対処するという、きめ細やかな配慮がある製品だった。

そんなサンツアーの執念と人間性が感じられるパーツを使うにつけ、シマノの商業主義には辟易としている。早く改心してほしいものだ。