鳥山明さんとひすわしさんのこと

今日のニュースというとやはり「鳥山明」さんが3月1日に亡くなっていたという報だったろう。

鳥山明さんというと作品数自体はそれほど多くないものの「Dr.スランプ(アラレちゃん)」「ドラゴンボール」だけでなくゲームの「ドラゴンクエスト」のキャラクターデザインなど世界中で知られ、各界に影響を与えつづけてきたクリエイターという意味ではまさに日本を代表する方だったのだと思う。まさに「巨星落つ」という感じがします。

そんな方がなぜここの話題に上がっているのかと言うと鳥山明さん関連で「ひすゎし」さんの話を思い出したからです。

ひすしさん(現在は「田中久志」名義)は漫画家であり、「CAN☆キャンえぶりでぃ」や「とんとん飛丸」そのほか学研の「まんがでよくわかる」シリーズや「中日こどもウィークリー」で知られていますが、現在は大垣女子短期大学デザイン美術学科学科長・教授を務め、プロのマンガ研究者(マンガ学・キャラクターデザイン造形学)になってしまったという異色の経歴を持つ方だ。

そんなひすしさんだがちょっとしたご縁があって、昔々のことではあるが時々家に来てくれたことがあり、その時に貰った色紙がこちらのもの↓

ここで漫画マニアであれば「え?」「だれ?このキャラ」という話になると思うけれど、それもそのはずこれはまだ「CAN☆キャンえぶりでぃ」が連載開始になる1年近く前の話であるから即興で描いたオリジナルキャラクターであった訳だね。でもこんなかわいいキャラを下書きもなしにサラサラ描けるというのはさすがにプロはすごいとしか言いようがない。

でもマニアックな方なら「ん?でもなんとなくDr.スランプに出てくるみどり先生に似てないか?」と思うかも。

そう、それもそのはず、この頃のひすしさんはまだ連載デビュー前で、当時は鳥山明さんのアシスタント(初代)をしていたのでした。影響受けてて当たり前というものです。でもCAN☆キャンえぶりでぃのキャンにも似ているところがあり、この絵は僕にとって大変お気に入りの1枚です(ひすしさんの描いたキャラの中でも当時最も「かわいい女の子」を具現化したものですからね)。

という様なことのある中、当然お願いは当時連載開始から1年くらい経っていて人気上昇中の「Dr.スランプ」を描く鳥山明さんに「サイン貰って来て!」という話になった訳です。今から思えばなんて横暴なお願いをしたのだろうと恥じ入るばかりですが。

でもひすしさん、とても優しくいい人なので「よっしゃ」という感じで快く受けてくれたのでした。

それで届いたのがこちら↓

ネットなどでよく出回っている模写や印刷ものでなくてまごう事なき本物直筆(贈り名入り)です。この頃というと既にアニメが始まっていて鳥山明さんもひすしさんも忙しくてヘロヘロだった頃でしょうがよく描いてもらえたものだ。

今となっては懐かしい思い出です。

鳥山明さんの御冥福をお祈りします。