赤い自転車とロードエンドの話

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ホームページにも書いているが自分の自転車は赤色のものが結構多い。

ここのところ、カーボンやらチタンのいわゆる「素材カラー」も増えたりはしていたのだが、元々イタリア好きでもあるし、イタ車といえば赤というイメージがあるのに車はいろいろ理由があって青だったりするのだけれど、自分が最初に買った赤いロードレーサー(ツノダグランプリロードCR)が現在に至る自転車遍歴の発端ともなった訳で、いろんな色の自転車を作っては結局また赤に戻るという感じにもなっている。

しかしいつ見てもイタ車の赤はとても綺麗な赤だ。上の写真はデローザのネオプリマート(1980年代の旧タイプ)だけれども、写真では大してすごくは見えないけれど、実車は本当に綺麗な赤なんですよ。

以前(ホームページだったかな)チネリの赤の話を書いていて、チネリの赤はパールホワイトの下地の上にオレンジに近いクリアレッドが吹いてあるのだけれども、デローザの赤はパールホワイト(パールはチネリに比べると少なくソリッドに近い)の上にソリッドのレッドと思われる(思われると書いたのは透明感のある色のため)塗料が吹いてある。

なのでチネリみたく表面からはパールの輝きは見えない。がしかし見えない輝きが表面の色に影響を与えていると十分に思わせるほどの際立つ美しさがあると思うのです。

今やデローザと言えどもブラックレーベル以外は台湾製となっているのは周知の事実でしょうが、そのあたりのような設計思想もきちんと表現できているのだろうかと思うことしきり。

そういう目に見えないところの技術が引き継がれないと単にブランド名を張り替えただけの代物になってしまう危険性が高い。

話がそれたけれども、もうひとつ思い出深い赤い自転車として「アルプス」のランドナーがある。

この赤はチネリと同じ手法だが、地にパールホワイトでなくゴールドが塗ってある。その上にクリアレッドが吹いてあって、パールも見えつつ深みのある赤色をうまく出している。

このフレームをオーダーした時に、オーダーシートに「金台赤」と書いてあって、なるほどと思ったものです。しかしながらアルプスさんも閉店してから早や15年近くになるのだなと思うと感慨深いものがあります。

 

それともう1点のこだわり。先日ネットでいろんな人の自転車談話など読んでいたら、「ロードエンド(逆爪)が好きだ」という人がいて、「おお、同志がいた」と感激したものです。なんで急にロードエンドの話?というと、先のアルプス号、実はランドナーなのにカンパのロードエンド(逆爪)が付けてあるというきわめてオーダー車らしい珍しい(変な)自転車なんですね。

ちなみに自分はかつてフロントにもトラックエンド(正爪)逆に取り付けて逆爪としたフォークを付けてみたり(当然ワンオフのオーダー品)したこともあるくらいロードエンドが好きなのですが、少なくともリヤのエンドはロードエンドが付いていてほしいなと思います(特にノスタルジックなロードレーサーはね)。

ちなみに上のネオプリマート、旧型なのでロードエンド仕様です。今のネオプリマートはストレートドロップアウトエンドですが、今とはちょっと違うんだな。