イチビキのうなぎに再会

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以前、「美味い不味いと好き嫌い」のところで、名古屋は柳橋、イチビキのうなぎが好きだ、という話を書いたのだが、今日、1年9ヶ月ぶりに、イチビキのうなぎを食べる機会を得た。

というのも、以前嫁さんに、件のうなぎについて話していた時、蓬莱軒よりもイチビキの方が好きだ。自分の中では名古屋いやさ日本一だ、という話をしていて、「そんなに美味しいのなら、一度連れて行ってよ!」と言われていたこともあり、また、たまたま飛騨出身のソングライターである、袈裟丸祐介さんのコンサートを観に名古屋に来るから、その時昼ご飯に食べたいと言っていた。
それで今日のイチビキとなった訳だけれども、「だいぶん待たないと昼は食べられないよ」と言うのに、じゃあ、10時のお茶する前にちょっと偵察に行こうということになった訳だが、既に店の前には長蛇の列が・・約20人ほど待っている。

「こ、これは・・」と一行3人(もう一人は妹)は顔を見合わせたのだったが、ここでの決断は早かった。結局、10時のコーヒーはやめて、昼飯を優先することにしたのだった。
決断は正解だったようで、僕たちの後ろ2人までで、足切りとなり、その後ろの人は2巡目となったのだった。2巡目で食べていてはコンサートの時間に間に合わない!
10時半ころには、店の方が「お待たせしてすみません」と待っている人にペットボトルのお茶をくれるという神対応で(ただし、どうも1時間以上待っている人限定のよう)、その段階で皆イチビキのファンになっていた。

そんなこんなで、一巡目で店に入ることできたのだが、嫁さん達はお約束で「ひつまぶし」を注文。自分は前回の特上のトラウマがあり、「うな重」(内容としては上丼と同じ)にした。
うな重にした理由というのは、ネットでの口コミで、(例の好き嫌いの話になるのだが)うなぎがゴムの様でかみ切れないという話があり、それを確認したいという部分もあった。
つまり、ひつまぶしだと既に細かく切断されていて、その点について確認がとれないのだ。
それと、前回特上を食べたときに、皮が少し固いなと感じたのも事実。
但し、それをもってたった一度食べただけで「不味い」と言いふらすのはいかがなものかな。
というか、その書き込みした人は、おそらくうなぎという魚のことを知らないだけの人か、たまたま「はずれ」だった人だと思うのだ。

常識として、肉であろうが魚であろうが、若いものの方が柔らかいのは当たり前。鰻だって年取って大きくなったものほど、皮だって厚いのは当たり前。大きい鰻について若干皮が固いのはやむを得ない話。
もう1点は、実際に自分で鰻焼いたことある人は判るだろうが(昔はほとんど自分ん家で焼いて、今みたいに蒲焼きで売っているのは少なかった)、魚の皮というのは、火の通し方を間違えるとゴムみたいにかみ切れなくなる。これはタイを皮付きの刺身にする時、湯引きする理由と同じ。火を通さないと魚の皮というのはとてもかみ切れるものでない。刺身にする時は通常皮はすべて取ってあるはずだ。
(僕自身、昔、生うなぎを家で焼いたのだが、ゴムうなぎを何匹も作ってしまったことがある。単純に火が通っていれば良いというものでもなく、その辺りのコントロールが非常に難しい。串打ち3年、裂き8年、焼き一生と言われるゆえんだろう)

いずれにしても、そのマイナスコメントを書いた人は「たまたまハズレ」だったのだろう。老齢ウナギだったのか、焼きミスだったのかは定かでないが。

という能書きは終わって、今日のうなぎ。
出てきたうな重は、ご飯と鰻が別になっていて、新鮮な感じ。イメージとしては長焼きを弁当箱につめましたという形か。
これはこれで、「タレの味でご飯を食べる」のでなく「うなぎ自体の味で勝負」という心意気で、個人的には評価できる。しかも一緒に出てきた山椒粉は・・なんと「飛騨山椒」でないか。やったー。

前回書いたが、並丼で感じた「うなぎ自体の味を強く感じる」というイメージに重なる。ポリシーにぶれがない。(まあ、タレの味で食べるのが好きな人には受けないのだろうな)
また、焼き魚感もほどよく、「ああ、これこれ、これがイチビキのうなぎだよね」と思えた。
うな重にして大正解でした。

ちなみに、例の「ゴム感覚」だが、今回のうな重に乗っていたうなぎは、特上丼のものと大きさ自体は変わりが無く、非常に大きなうなぎであったが・・
今回は「ゴム感」は全くありませんでした。あたりでした。ヤッホー。