缶詰工場は大忙し

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田植えが終わって、この季節になると飛騨の山では筍が採れるようになる。

タケノコと言っても、よくスーパーで売っている孟宗竹の筍でなくて、このあたりでは姫竹の子とも言っているが、ネマガリタケと言う、小さなタケノコなんですね。(ホームページの写真参照)
これを手でポキンと折り取ってくるんですが、これを早速茹でるわけです。

茹でる理由は、タケノコというのは折り取ると「山に帰ってしまう」と言ってますが、時間が経つと固くなってしまうんです。

そのため、山から帰ってくるとすぐに大鍋で茹ではじめます。
茹で上がったタケノコは皮を取ります。これを昔は瓶に入れて塩漬けにしたりしたそうですが、最近は缶詰にする家がほとんどです。

もともと山菜加工の缶詰工場が何軒かあるのですが、この季節になると一般の人がタケノコの加工委託に押し寄せるので、缶詰工場は土日もフル操業状態になります。
ところで、缶詰にするには採ってきたタケノコを缶に詰めなければなりません。
それで缶を缶詰工場から借りてきて、それにタケノコを切りそろえて詰め込む訳です。

この缶に詰めた状態で工場へ預けます。
工場では「水煮」と「味付け」が選択できますが、我が家はだいたい「水煮」で頼みます。
工場では機械がフル回転、湯気がもうもうと立ちこめています。
水煮の場合は水を缶に入れて、これを釜に入れて加熱殺菌するわけですね。それに蓋をのせて機械で密封しすると空気中の雑菌が入らないので中身が腐らない缶詰のできあがり。
このやり方は自家製ジャムを作る時と一緒ですね。自家製ジャムの時はビン詰めですが、高温のジャムをビンにいっぱいつめて蓋をして、冷えると蓋が凹みます。中が真空に近くなったんですね。
雑菌の入った空気が少ないので中身は腐らない。
うーん、缶詰やビン詰めはパスツールさんの加熱殺菌技術を使っている訳ですが、今でもこの方法を使われているというのがすごいですね。
ちなみにパスツールさんと言えばこの微生物を研究するのに使ったつる首フラスコとスープが有名ですが、フラスコもビンと考えれば、世界初のビン詰めスープを作ったのがパスツールさんということになるんですかねえ。

話が脱線しましたが、缶詰を作って残った切れ端や余ったタケノコはというと・・
朴葉すしとなって、あるいは炊き込みご飯となって、食卓に並びます。
季節を感じる夕飯です。