何のネジ?

イメージ 1

小さなネジをオークションで手に入れた。
カンパニョーロのネジなんですが、おそらく30年くらい前の品物。
これは何のネジかと言うと、リヤホイールのはまるエンドの部分に取り付ける調整ネジなんです。
ロードレーサーのエンドは一般的にはロードエンド(逆爪)が使用されていたのだが、最近ではストレートドロツプアウトエンドを使う場合が多い。なぜ昔はロードエンドを使用したかと言うと、ギヤチェンジする時に一旦ホイールの固定ナットをゆるめて、チェンをたるませ、ペダルを逆転させるとともにチェンを脱線させて(これがディレイラーの所以)他のギヤに乗せ替え、再びチェンを張ってホイールの固定ナットを締めるという、気のとおくなるような方法でもってギヤチェンジしていた時代があった訳です。つまりチェンをたるませるためには、長大なエンドの中をハブのシャフトがスライドできる構造にしていた訳です。それが1960年代くらいになると、ホイールナットをゆるめなくても変速できる構造、スプリングによってチェンのテンションを取るという方式を採るスライドシャフト式の変速機が主流となりました。これによりエンドの長さは短くなってきたのですが、フレームやホイールのトラブルによってタイヤがチェーンステイと接触しないように微調整するという機能は残されました。
1970年代になると、ロードエンドは大きく分けてロングエンドとショートエンドに変化して行き、レースでは泥よけのダボが付いていないショートエンドを採用する場合が増えました。
ここで、エンドの調整ネジがロングとショートの2種類に分化した訳ですが、現在はというと、ショートエンドすら少なくなり、ほとんどストレートドロップアウトエンドと同化してしまい、結果的にエンド調整ネジは消滅しました。
僕がこの調整ネジ、しかもロングエンド用のネジが必要な訳は、最近クラシックレーサーのフレームを手に入れたからです。このメーカーは「レニヤーノ」という名です。現在は「ビアンキ」に吸収されてしまいブランドは消えていますが、戦前戦後の時代にはビアンキと並び2大メーカーだっただけに、消えてしまったのは惜しまれます。