緊張の雪おろし

この冬は暖冬のはずだったのに、結構雪が降って、我が家でも3回雪下ろしをした。
今日は、公民館や寺の雪下ろしの村人足があって、自分の班の割り当てはいつものとおり寺の屋根だった。
当然のごとく寺の屋根は高い。自分の家は二階建てだがそれより高い。
自分の家の屋根は、昔は瓦屋根だったそうだが、今はトタン葺きとなっている。そのため屋根の勾配は元々のトタン屋根の家よりきつい勾配になっている。それでも恐いのに、寺の屋根ときたら、もっと勾配がきついのである。
さらにとどめは、雪止めが寺の屋根にはない。つまり、いつ雪(人も)が落ちてもおかしくない場所なんである。
とはいいながら、誰かが登って雪を下ろさなければならない。
今年は寺の雪下ろしも2回目で、前回は当番が当たらなかったが、今回は当たりだった。午前8時から開始だったので準備をして出かけた。
一般的に雪下ろしはスコップでやるが、スコップは小さいのでスノーダンプという大きなものでやる人もいる。スノーダンプは大きいだけあって、作業が早いのだが、雪を放る時に体ごと行ってしまうことがあり、慣れた人でないと危険である。
自分の家の屋根ではたまに使うが、寺の屋根では不安なので、今日はスコップにした。
今日のスコップは普通のアルミ雪スコより柄が長いタイプ。屋根の先まで行くのは危険なので、遠くから雪を放ることができる。
屋根に上がると寺の屋根はさすがにでかい。スコップをピッケル代わりに雪山を登るようなものだ。
ちなみに急な屋根では雪は上から下へ下ろすが、プロは下からでも下ろす。僕は上から下へ向かって行く。
屋根の先端は雪庇(せっぴ)になっているので、そこを踏み抜いたら落ちてしまうのは山と同じ。
無理せず遠くからスコップで突っついて雪庇を落とす。
先端に近づきすぎると、隣の屋根から「下無いぞ」と声が掛かる。
雪下ろしは人海戦術で、約1時間半かけて終わった。
寺の屋根の上からは遠くまでよく景色が見えて、冷たい風も気持ちよい。
危険できつい仕事もこんなご褒美があるからやる気にもなる。雪山に登る人の気持ちが判る一瞬だとおもう。