企業(ブランド)のグローバル化・分離統合では存続するだけでも大変だ。ましてや復活など・・

ハスクバーナの草刈機のことを書いたのだが、実はこの機械を作っているのはハスクバーナ・ゼノアという会社。

でもオートバイを作っているハスクバーナモーターサイクル社とは現在別会社になっていて、本家のハスクバーナ社が日本のコマツゼノアを買収して後、今のハスクバーナ・ゼノアという社名で分社化した形になっている。

一方のハスクバーナモーターサイクル社は本家ハスクバーナ社からカジバ、BMWへとオートバイ部門が売却されその後オーストリアの企業ピエラ・インダストリーAG(KTMの親会社)に売却、その傘下にあるフサベルへさらに買収され社名をハスクバーナとした。このフサベル、実は本家ハスクバーナから分離した一派が興していて、この機会に元のハスクバーナとして統合され復活ハスクバーナとも言える話。さぞかし地元スウェーデンにとっては喜ばしい話だったろう。経営母体が違う会社という不思議な状態なのに珍しい事例と思う。

この話を聞くと、どこの国でも企業やブランド存続していくというのは大変なことだ。

うちの草刈機タナカも現在はHIKOKI(ハイコーキ:日立工機から名称変更)となりタナカブランドとしては消滅。ロビンはマキタに吸収されその後技術の一部はヤマハに引き継がれたというがブランドとしては消滅(ラビットも)。やはりマキタは電動工具の会社だったのだろう。

電動工具のリョウビも電動工具は不採算部門として譲渡され今では京セラインダストリアルツールズになってしまった。京セラもヤシカコンタックスの例もあり残念なことだが本業のリョウビの方は経営体質改善出来て企業としては良かったのだろうがファンからすると複雑な気持ちだろう。

建設機械の分野でもTCMは日立建機の子会社へ、その後ユニキャリアを経て三菱ロジネクストとしてブランドとしては残っているものの絶滅状態。

川崎重工も建設機械は分社化してKCMとなりその後日立建機に吸収され、富士重工の鉄道部門も新潟トランシスに譲渡されるなど重機メーカーも結構整理統合が進んだ。

自動車関係はさらに複雑怪奇。日産の歴史の複雑さは有名だがプリンスの名は復活させてくれてもいいと思う。自動車業界は海外も含め今やグローバル展開が普通で相互技術提供やOEMで何がどうなってるのか判らないものも多い。

ところで海外ではときどき古いブランド名を復活させたりすることがある。

ブガッティやマイバッハ、OSCAなどの例があるが、モーターサイクルの分野でもジレラ、MVアグスタなど。中でもアグスタなどは成功した事例と思う。

翻って日本。最近の話題ではなんと言っても「メグロ」復活の話だろうか。ブランド復活にあたって特許庁などと相当やり合ったそうだが、復活に向けたその熱意には敬意を表したい。

ブランドだけ取得したものの転売益目論んだり持ってるだけなのに全然復活させるつもりがなさそうなところのなんと多いことか。先人に対する敬意が足りないのでないかと思うのは自分だけなのかな。

熱意のある資産家希望・・投資グループの跋扈する世の中では無理か。

↑復活した「メグロ」。カワサキの侠気ある決断に皆感動。250cc期待しています。